虚構のシステム 3
「アメリカン」というべきところは「合衆国」であり、「ラッキー」というところは「幸運」でなければなりませんでした。
半面では、製品の差別化にきびしいスポンサーは、「番組の差別化」にきびしいものもありました。
たとえばマクスウェル・ハウス・コーヒーは、『アイ・リメンバー・ママ』ではドラマをとぎれないようにするため、広告の挿入を本篇の前と後だけに限って、作品を大事にしました。
アルミニウムのアルコア社は、テレビ時事解説者として名高いエドワード・R・マーロウの『シー・イット・ナウ』のスポンサーでした。
1954年にマーロウが「赤狩り」の推進者マッカーシーに挑戦したときに、アルコア社は、
「ニュースに影響力を行使することは、スポンサーにとって適当とは思わない。マーロウ氏のショーだ。
彼が提供しなければならないものを、わたしたちは買っているのだ。
わたしたちは、わが社のコマーシャルを提供したいと思っている視聴者・・・
それも一定の視聴者を惹きつけることを彼に望んでいる」
・・・と見識を示しました。
しかし、この会社も翌年マーロウがCBS内外の圧力を受けて窮地に追いこまれたときには、契約の更改に応じませんでした。