各国のウォーターフロント 3
土地の所有権が細分化され、権利関係が複雑な既成市街地のなかで数多くの地主を説得して住宅をつくるとなれば、膨大な時間と費用がかかります。
比較的土地の取得が容易な丘陵地の山林を開発するとしても、そこに介在する農地を宅地に変えてゆくのは、行政上農林省との折衝で、これまた大変な時間がかかるのです。
それに比べてウォーターフロントであれば、地主はだいたい役所か大企業で、それも地主の数は極めて少ないものです。
そういう点では、ウォーターフロントに土地をもっている会社や公共企業体を説得して住宅をつくることは、内陸部に比べて容易です。
自分達の会社や自治体にとっても利益になると彼らが納得すれば、新しい住宅地がすぐにできます。
土地の所有関係が単純で、一人の地主が大量の土地をもっているという埋立地の特質は、住宅を供給する公団や公社からみて、あるいはオフィスや商業施設をつくろうとする不動産会社からみても、大変魅力があります。
そこで、この港湾用地をただ貨物の積み卸し場としてだけに使っているよりも、より高度利用の土地・・・
つまり海岸に新しい都市をつくるための業務・商業・住宅の用地にしようという見方が強くなりました。