都心が分散すると・・・
業務機能をこのように分散させると、すべてのサラリーマンが通勤の点で楽になるかというとそうではありません。
たとえば市川から丸ノ内に通っていたサラリーマンにとっては、その勤め先が新宿にゆけば通勤時間はさらに30分延びることになります。
反対に立川から虎ノ門に通っていたサラリーマンが、その勤め先を幕張に移されれば通勤時間はさらに1時間増えることになります。
・・・したがって、事務所を分散させれば、少数ではあるかもしれませんが、一定量のサラリーマンは決定的に通勤時間で損をするということがおきる危険性があります。
理屈からいえばこのように事務所が分散すれば、勤め人はその居住地を山手線内部におけば、どの副都心や業務核都市にでもほぼ均等の時間でゆけることになります。
しかし、実体としては都心部に勤めるサラリーマンは、東京の西側の多摩や埼玉、神奈川に住んでいります。
西の方に勤め先を分散させれば大部分の人達は幸福になるという前提がこのような議論にはあるのです。
・・・ともあれ、将来、事務所分散が次第に本格化すれば、それに伴って、居住地を比較的頻繁に変えてゆくということもおきてくるでしょう。
ただし現状の受験地獄があるかぎりは、子供の転校を伴う居住地の移動を、母親がそう簡単に承諾するとも思われません。
そうなれば、父親だけが業務核都市のワンルームマンションに仮住まいするという光景も生じてくるでしょう。