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2011年01月 アーカイブ

都心が分散すると・・・

業務機能をこのように分散させると、すべてのサラリーマンが通勤の点で楽になるかというとそうではありません。


たとえば市川から丸ノ内に通っていたサラリーマンにとっては、その勤め先が新宿にゆけば通勤時間はさらに30分延びることになります。


反対に立川から虎ノ門に通っていたサラリーマンが、その勤め先を幕張に移されれば通勤時間はさらに1時間増えることになります。


・・・したがって、事務所を分散させれば、少数ではあるかもしれませんが、一定量のサラリーマンは決定的に通勤時間で損をするということがおきる危険性があります。


理屈からいえばこのように事務所が分散すれば、勤め人はその居住地を山手線内部におけば、どの副都心や業務核都市にでもほぼ均等の時間でゆけることになります。


しかし、実体としては都心部に勤めるサラリーマンは、東京の西側の多摩や埼玉、神奈川に住んでいります。


西の方に勤め先を分散させれば大部分の人達は幸福になるという前提がこのような議論にはあるのです。


・・・ともあれ、将来、事務所分散が次第に本格化すれば、それに伴って、居住地を比較的頻繁に変えてゆくということもおきてくるでしょう。


ただし現状の受験地獄があるかぎりは、子供の転校を伴う居住地の移動を、母親がそう簡単に承諾するとも思われません。


そうなれば、父親だけが業務核都市のワンルームマンションに仮住まいするという光景も生じてくるでしょう。

都心が分散すると・・・ 2

業務核都市の育成とか多心型都市へ東京を変えるといっても、すべてがうまくゆくわけではありません。


このような副作用が新しく都市問題としておきてくることは、覚悟しておくべきでしょう。


なぜわたしたちがウォーターフロントに目を向けているのか、この重要な問題を考える糸口として、諸外国の例を見てみましょう。


ヨーロッパやアメリカのウォーターフロントと、東京湾や大阪湾のウォーターフロントとが、同じような次元で語られることがよくあります。


実は外国のウォーターフロントと日本のそれらとでは大きなちがいがあります。


ヨーロッパやアメリカ、たとえばロンドンのドックランド再開発、ニューヨークのバッテリーパークシティ、あるいはボルティモアのハーバー再開発等は、使いものにならなくなった古い港湾地区の再生事業です。


ニューヨークのバッテリーパークシティは、古い突堤型の埠頭何本分かの間を埋めてつくった土地の上につくられています。


これまでとまったく異なる土地利用でそこを魅力ある土地にしないかぎり、それらはこれからもそのまま放置されてしまう場所です。


そこでロンドン、ニューヨーク、ボルティモアといった港湾都市では、これらの膨大な使いものにならない港湾地区のごく一部分を、住宅地にしたり、オフィス街にしたり、観光地にしたり、いろいろと工夫をしてつくり替える努力をしています。


ウォーターフロント再生の優等生といわれるボルティモアでも、成功した再開発地区の隣には、その何倍かの打ち捨てられた埠頭地区や倉庫地帯が手をつけられないまま残されています。


それに対して日本の場合、特に東京湾のウォーターフロントが、今まったく使いものにならなくなっており、将来も再生の見通しのない土地であるかというとそうではありません。

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