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2010年05月 アーカイブ

面白かった場所

~東京都台東区上野公園~

黒田清輝といえば誰でも「湖畔」を思い出す。
しかし、それをどこで見ることができるかを知る人は少ないであろう。

「湖畔」は、上野の森の美術館群の中に、ひっそりと建っている「黒田記念室」にある。

この樹木に囲まれた昭和初期の建物は、静寂な雰囲気で入館者を迎えてくれる。
部屋に入ると、まず目につくのが正面の壁に掛かっている「湖畔」である。

実物は写真で見るより全体に淡い色彩で描かれている。
この絵は黒田が三十一歳の夏に、夫人を伴って箱根に滞在し、芦の湖畔で急に思いたって照子夫人を傍の岩に腰かけさせて、ぶっつけにカンバスに描いたものである。

うちわを手に持った女は、フランス留学の永い黒田好みの、エキゾティックな端麗な容姿で、湖を渡る涼風が感じられる情緒的な作品である。

面白かった場所 2

黒田は、裸体を描いても健康的で良識的である。
この室には、一九〇〇年三十四歳の時にパリの万国博覧会に出品し、銀賞を受賞した「智・感・情」と名付けられた三部作の裸体画がある。

モデルは日本の若い女性で、明治の女性としては立派な体格をしている。
これは題名のことがらを人の姿によって表す「構想画」の作例であるといわれている。

黒田清輝(一八六六~一九二四)は鹿児島で生まれ、五歳の時、伯父黒田清綱子爵の養嗣子となる。

十八歳でフランスに留学し、法律を学ぶが中途で画学に転じて、外光派のラファエル・コランの指導をうける。
滞仏中はパリの近郊のグレー村で多くの作品を描いた。

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